この度、令和3年度岡山市市民活動支援金に採択された「コロナ禍における病気療養児の支援拡充事業」を実施し、一人でも多くの病気を抱える子どもたちやご家族の課題解決につながるよう、学校現場の先生方へのポケサポ相談ダイヤル周知や、相談支援事例の共有、学校での取り組みなどをアンケート調査しました。
調査対象:岡山市および倉敷市内の公立小学校・中学校、高等学校(特別支援学校を除く) 計283校
調査期間:2021年11月~12月3日まで
返信ハガキによるアンケート回答:37件(回収率13%)
病弱児への遠隔授業の実績と今後の予定
設問:学校の教室と病弱児が入院する病院等をオンラインでつないで遠隔授業をした実績や予定はありますか?
校長会や校内で病弱児に関する研修や会議の実績と今後の予定
設問:校長会や校内研修で病弱児の療養や復学支援に関する研修や会議を実施した実績や予定はありますか?
校長先生からのご意見・ご要望(一部抜粋)
- 私自身がまず、勉強し情報を集めてという部分をしっかりすることが大切であると考えます。
- 「入院中の出席単位の確保」できていない。特例として校長判断で補講で対応。
- 病弱児が本校に在籍していないので今のところ利用の予定はないが、今後そういう生徒がいれば相談窓口を利用したい。
- 研修については、今後積極的に検討していきたいと思います。
- 医療機関、保護者と相談し、ニーズを確認する必要がありますね。
- どこまでを病弱と言うのか、線引きが難しいです。入院期間もどの程度以上なのかも、こちらで判断しにくいです。
- 県立中学校の生徒が学籍の移動の関係で院内学級に入級できていません。よい手だてがあればと思います。
- 本校には病弱児はおりませんが、もし、今後、対象となる児童がいた場合にはご相談したいと思います。
- 目の前に該当する生徒がいないとなかなか気がつかないのが現状です。
- ご活動に敬意を表します。多くの方々が、救われることと思います。
- 危機管理が甘いかもしれませんが、現時点では該当する生徒がいないため、切実感がないのが現状です。
- この度は大変暖かく有意義な支援をありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
アンケート結果から見えてきたこと
お忙しい中、校長先生から多くの記述をいただきました。実際に該当する病弱児が在籍していないことで、イメージが湧きづらいところもあるかと思いましたが、真摯に検討して頂けそうな回答が目立ち、ありがたい気持ちでいっぱいです。
一方で、実際に学籍の移動の関係で院内学級へ入級できなかったという事例もあり、そのようなケースの場合、在籍校との遠隔授業のサポートの事例などを活用し学校現場との連携に活かすことができるのではないかと思います。
アンケート結果から病院や自宅と学校をつないでの遠隔授業の実績や今後の予定はそこまで多く見られませんでしたが、一部の学校では行われていることも把握でき、病弱児が学びやすい環境がこれから進んでいく第一歩になるのではと感じています。
病弱児の教育に関する研修の実績や予定も多くは見られませんでしたが、先生方からはニーズの確認や情報を集めていきたいといったご意見、学校内での病弱児に関する研修も検討していきたいといった声もあり、ポケットサポートの主催する勉強会などの案内も積極的に行い、これからも病弱教育に関する情報提供を欠かさず行っていければと考えています。
今後も関連する様々なケースに対応できるよう、相談ダイヤルをより一層の強化し、行政とも相談事例を積み重ねていくことを目指していきたいと思います。
最後に本アンケートにご回答いただいた全ての先生方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。