入院してから自分と同じように病気を抱えな少しずつ自分の病気を理解して周りのこと確かに最初に入院した頃は「どうして自分だ病気を発症する前を振り返ると、一般的な中特に、入院中に付き添ってくれた母親や、仕■当事者になって感じた相手の気持ち がら過ごしている同世代がいることを知りました。今までの学校生活では出会う機会がなくて知らないことだらけだったけど、入院病棟の同じ大部屋にいた同級生とゲームや、院内学級で一緒に勉強する中で教えてもらうこともたくさんありました。 が分かるようになって感じたのは、一見何も悩みの無いように見える相手でも、仲の良い友達にもなかなか言えないような不安や悩みを抱えていること。自分自身が病気になって痛い治療や辛い副作用を、当事者として経験したからこそ理解できました。相手の気持ちを理解しようと思えるようになったことは、人生経験として大切で、大きな収穫です。 けが…」と思った時もありましたが、周りに同じような経験をした仲間がいたことは本当に心強かったです。テレビ報道で見るようにスポーツ選手など、自分と同じような病気を抱えていても活躍して頑張っている姿から「すごいな」と勇気や元気をもらいました。病気がきっかけとなり、相手への思いやりや寄り添う意識が身についた気がします。 学生で勉強も部活も恋愛も、普通に過ごす人生でした。こんな重い病気になったことは、衝撃的な出来事で自分自身の考え方も大きく変えるきっかけになりました。 事の合間に時間を作って面会に来てくれた父親や親戚には、とても心配をかけました。自分が病気になったことで、両親はもちろんきょうだいにも、苦労をかけてしまいました。 ■高校生活を学生らしく満喫したい 現在は、自宅療養しながら通院していて、学校生活や病気については特に心配していません。自分はあまり物事を深く考えるタイプでなく楽観的なタイプなので、このポジティブで前向きな姿勢であることが、自分の強みなのかもしれないと思っています。 入院中に学習できていない単元は、自宅で勉強をしています。勉強を始めると目が乾燥したり、手が痛くなったりと、なかなか集中できない時もあります。コロナ禍で、外出も自粛しているので体力も低下していて、今は2時間くらい集中して続いたらよい方です。何か達成すべき目標があれば頑張れるかもしれませんが、自分自身で学習空白を補うための勉強にモチベーションを保つのは難しいと感じています。 まだ、将来の夢や就きたい職業も決まっていないけれど、今はとにかく高校生活を楽しみたいです。勉強も部活動も、体育祭や文化祭などの学校行事も、中学生時代にはあまり経験できなかった分、学生らしい経験や体験を満喫したいです。そして、高校で専門科目を学び、先輩や学校の先生の話を聞く中で、自分が目指したい夢や目標を見つけたいと思っています。 病気を悪く考えるのではなく、自分の人生において良い経験だったと思うようにしています。そして、休学中の空いた時間を活かし、何か新しいことを見つけて、今までの時間を取り返すことができればと思っています。 12
元のページ ../index.html#13