病気療養児の家族・支援者向けサポートブック
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入退院の繰り返しで「周りに同じ境遇の人たちがいたことは心強かった。ひとりじゃないと思えた。」と語ってくれました。闘病中に出会った人たちによって、考え方や視野が広がり、「自分らしい」夢を広げて邁進する姿が今からとても楽しみです。 ■中学校生活のほとんどを病院で過ごす 中学1年生の冬に突然の病気で入院生活が始まりました。入院中は院内学級の先生が、毎日のように病室まで迎えに来てくれていました。だけど、思春期や反抗期もあって若干無理やり通っていたような気がします。学習内容は教科書にあわせて自分のペースで教えてもらう感じでした。治療中のベッドサイドに来てもらっての勉強はあまりしてなかったです。治療が無事に終わって退院できたのは、中学3年になってからで、中学校3年間の内、約2年を病院で過ごしました。 っていましたが、病気が再発して入院治療に逆戻り。「どうして自分だけが、辛い思いをしないといけないのか」「同級生と同じように学校生活を過ごしたい」そんな思いでした。 ■闘病を支えてくれる人たちとの出会い で高校受験本番に向けて志望校の下調べや、オープンスクールにも参加できていません。 当たり前に思い描く「将来の夢」「どんな職業に就きたいか」という未来への希望のようなものを忘れかけていました。また、同じように高校受験する同級生の学力に追いつくには時間がかかりました。 家族に心配をかけたくないという思いで、言葉を丁寧に選びながら話してくれました。再発による高校生活は専門科目や部活を頑張ろうと思中学1年生から3年生まで入院していたの治療がどうしても優先されていて、中学生がやっと夢をもって決めた志望校に合格するために、勉強も面接練習もできることは全部やりました。遅れていた受験勉強に苦労しましたが、中学校の担任の先生が自分と家族にとっての支えでした。 特にコロナ禍より前は、入院中の病院までお見舞いに来てくれたり、学校や友達の様子を教えてくれたり、担任の先生の存在が治療も勉強にも頑張って取り組む原動力でした。 入院中は看護師の皆さんが、よく応援してくれました。入院生活が始まった頃は看護師さんが体温測定や点滴交換に巡回されるのがストレスだったかもしれません。看護師さんの巡回が気分転換になることもあったけど、逆に嫌だなと思うこともありました。 入院生活もだいぶ慣れてきて仲良くなった看護師さんと気軽に話しやすくなりました。会話をするのが上手な看護師さんが多くて、口下手な自分に話しかけてくれたり、何気ない会話を毎日のように重ねたりすることで、人見知りな性格も少しは直った気がします。 11 「人生が変わった闘病経験を、自分の強みにしていく」 学校の先生や看護師の関わりが支えになった事例

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