病気療養児の家族・支援者向けサポートブック
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彼から教えてもらいました。一度きりの人生で「病気を理由に諦めたくない」という強い意志があったからこそ、家族からの応援も得られ、志望校合格を果たせました。同じように進路で悩んでいる中高生に向けて勇気を送れる心強いインタビューでした。 ■入院による学習の遅れへの焦りと不安 小学校6年生の時に病気が見つかり、最初は主治医から4か月の入院治療と聞いていたけれど2年半もかかりました。入院中は治療の副作用もあって、特に体調が悪い時には、それどころではなくて、まさかこんなに長い入院になるとは思わなかったです。 ができていない時間も、地元の中学校の友達はずっと勉強をしていて、学習の遅れに強く焦りを感じていました。病院内の院内学級でも勉強できる時間は通常より短いので、「このままで良いのかな?」「勉強したくないから、勉強していないわけではないのに」って思っていました。体調が悪くて院内学級に行けない時期もあり、いつまでこの状態が続くのか出口が見えない不安もありました。退院して学校にも行けるようになってから、ポケットサポートでも勉強を教えてもらっている時に「もしかしたら友達に追いつけるかもしれない」と思えるようになりました。 自分自身の意思や考えをしっかりと持ち、どんなことも妥協せず最後までやりきることの大切さをどうしても体調が悪い時や検査等で、勉強そんな状況の自分の背中を押してくれたのが院内学級の先生やポケットサポートの皆さんでした。1人では確実にそうは思えなかったと思います。勉強や治療の話を聞いてくれたり、勉強を教えてくれたり、いろんな協力があって少しずつそう思えるようになりました。退院してからの学校生活での悩みは家族以外に小学校から関わりがあって信頼していたポケットサポートに相談していました。 特に、自分と同じように病気療養や進学の経験のあるスタッフや大学生のボランティアに話を聞いて欲しかったです。 ■全日制高校を選択して受験勉強 高校受験で志望校を決める時に、自宅でもポケットサポートでも受験勉強を頑張っているのに、主治医からは体力面などに配慮して通信制高校を勧められていました。 自分が頑張れば全日制に挑戦できるような気持ちだったのに、主治医から言われた言葉が今でも記憶に残っています。当時のことを振り返ると病気になったからとか、病気が治ってないからという理由で、他の友達と違う進学先を選びたくなかったのだと思います。自分が挑戦できるところまでやってみたいと思ったから、自分自身に妥協することなく、全日制の高校への進学を決めました。 9 「全日制高校への進学を諦めないで本当に良かった」 療養経験者に相談できるサポート体制

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