岡山県内の病気療養児支援で多職種が連携した実践事例集
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☑生徒本人・保護者の願いを各機関で共有されていた ☑予算面や技術面の課題をNPOとの協働で解決できた ☑人員配置、必要時数、治療スケジュールの調整ができた 入院中の高校生が遠隔授業により単位取得し、進級したという岡山県内で初めての事例です。本人・保護者が何度 も病院や学校に相談をしながら「この学年で上がりたい」と訴え続け、多職種の協働で実現しました。当時の遠隔授業の制度上、受信側(入院する生徒側)にも学校教員を配置しなければいけない要件があったため調整しながら実施しました。治療スケジュールと授業のバランスを取りながら、欠課授業の単位を取得し、進級することができた事例です。 7 まず、医療機関に関係者が集まり、状況の共有と当時は、受信側(入院中の生徒側)にも、学校の学校と病院を双方向で接続した状態で、授業を学校側で授業をする可能性のある先生へは、操作マニュアルを作成し、機材使用に関する研修も実施しました。最初は先生方も戸惑いがありましたが、スタッフが丁寧に調整や確認を行ったことにより、安心して授業実施に向かうことができました。 入院中に欠課が続いて単位取得が難しい状況となった科目を選定し、その授業を中心としたスケジュールが組まれました。欠課授業の選定は学校側が行い、本人・保護者と共有、医療者も時間割を確認し、授業に参加できるように配慮された治療スケジュールでバランスを取ることができました。医療と教育が連携して調整を行い、技術的な部分はNPOが助言することでスムーズに準備が進みました。 【学校】高等学校 / 【きっかけ】長期療養児教育サポート相談窓口 / 【準備期間】約1ヵ月 メンバーの顔合わせを実施して、生徒とご家族からの要望である「友達と同じクラスで進級したい」という思いを共有しました。その後、学校と医療機関のネットワーク環境、遠隔授業に必要な物品等の把握と課題の共有を行いました。 教員配置が必要(※令和2年5月に解消)だったこともあり、人員配置と技術面が課題となりました。 配信する通信テストも実施し、本番に向けた懸念点を解消することで、生徒本人も関係するメンバーも実現可能性が少しずつ高まっていきます。 ▲事例解説動画 ヒアリング課題抽出通信確認通信テスト教員向け操作説明双方向授業開始闘病中でも学校の友達と一緒に オンラインで授業を受けて進級したい

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