岡山県内の病気療養児支援で多職種が連携した実践事例集
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4 Chromebook内蔵のWEBカメラやスピーカー&マイクでは画質や音質に限界があるため、外付ら、改善を続けています。 できる限り、学校現場にあるものを活用して運用スムーズに進んだ事例となりました。 【児童生徒の変化】 通信テストもかねて教室と繋いだ際に、クラスの友達にも児童が自宅から参加する旨が伝えられており、友達が画面に向かって手を振ったり、名札を見せたり、展示作品や教室紹介をするなど交流を楽しんでいる様子が見られました。 初回は恥ずかしくてカメラの前で顔を見せることはなく、保護者が代わりに返事をしたり、ぬいぐるみで応答したりしていました。「顔を出すのが恥ずかしい。様子を見ながらできると良い」という児童本人の気持ちをくみ取りながら、学校現場で柔軟に対応しました。 また、中継されている音楽の授業で、音符をワークシートに記入する際には、本人の声で「できました」と発言があったり、授業の最後には保護者を通じて席替えをした自分の席を確認する交流の場面も見られました。 けできるスピーカーフォンなども試験運用しなができるようにネットワーク環境やChromebookなど教育委員会とも確認しながら準備~実現まで児童の「学校の授業に参加したい」「友達と話をしたい」などの気持ちを学校関係者の方や教育委員会の方が汲み取り、支援実施に至りました。遠隔授業を実施する際の課題であった機材の選定や扱いについても、専門的サポートが入ることで解消でき、保護者と学校とのやり取りも円滑で、担任や管理職の先生方も「児童のために」と一体感が生まれていたようでした。学校とのつながりや距離感が良好なことで児童自身が闘病しながらも充実した生活になっている様子が感じられました。 【市町村教育委員会からのコメント】 長期療養中の児童の復学支援として、同時双方向型授業が行えるよう、長期療養児支援充実事業を活用しました。実際にポケットサポートの方が学校を訪問し、ICT機器の貸し出しや設置、接続の仕方等の助言をいただいたことで、同時双方向型授業を実現することができました。学校からは「360°撮影可能なカメラがあることで、本人の希望を聞きながら、黒板や友達の様子など、必要なところを映すことができた。」「グループでの話合いに、本児も映像を見ながら参加することができた。」等の報告を受けています。また、映像を通して、授業の様子や友達の声に触れることができ、教員や友達との距離が縮まり、復学に向けての不安が少なくなっています。登校できる日や時間が徐々に増えるなど、本取組の大きな成果を感じています。 自宅療養する児童の体調に合わせて、自宅から授業に参加できる場合には、学校に配備されているChromebookを使いGoogleMeetで自宅の端末とオンライン中継することで授業参加できるようにしています。 授業中の発言や休憩時間中の会話など、同級生とのコミュニケーションも楽しんでいる姿があり、児童も楽しみながら学習できています。

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