岡山県内の病気療養児支援で多職種が連携した実践事例集
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2 慢性疾病を抱える子どもたちの支援事例は、その数が多くないことに加え、事例ごとにそれぞれ違う機関がケースを抱えること、担当者の異動があることなどから、ノウハウが蓄積されづらいという課題があります。私たちポケットサポートでは年間100件ほどの相談を受ける中で、学校や医療機関、行政などと連携・協働しながら病気を抱える子どもたちの支援にあたっています。 ①入院中や自宅療養時でも学校の友達と一緒にオンラインで授業参加したい ②入院治療で諦めていた「卒業式」 友達と一緒にオンラインで参加したい ③闘病中でも学校の友達と一緒にオンラインで授業を受けて進級したい ④コロナ禍でも同世代の闘病仲間とオンラインで交流できるようにしたい ⑤病気療養しながら就学するためのケース会議を開催したい 各市町の保健師や、教育委員会の特別支援教育担当の先生、支援学校病弱部の先生など、日頃から慢性疾病を抱える子どもたちと関わりがある多職種のネットワークづくりを、当団体が中心となって現在進めているところです。課題の共有から始まり、地域での病気療養児の支援の在り方がより一層見えてきています。 各学校に配備されたタブレット端末や高速大容量の通信ネットワークを活かして、病院や自宅などの遠隔地からも病気療養児が学校の授業に参加できるよう遠隔授業の実施に多職種が連携して取り組んだ小学校の事例です。 ■解説動画URL:https://www.pokesapo.com/bwp-1 卒業式という節目の日を病気のために諦めたくないという願いは誰しも共感できるのではないでしょうか。 そんな生徒の思いを受け取った関係者が短期間で連携を図り、卒業式を病室へオンライン中継した事例です。 ■解説動画URL:https://www.pokesapo.com/bwp-2 入院中の高校生が遠隔授業により単位取得し、進級したという岡山県内で初めての事例です。治療スケジュールと授業のバランスを取りながら、欠課授業の単位を取得し、進級することができた事例です。 ■解説動画URL:https://www.pokesapo.com/bwp-3 新型コロナウイルス感染症の影響により、入院中の病棟では患者同士の接触ができなくなりました。自宅療養中の生徒と入院中の生徒が、オンラインの交流を通じてつながり、励まし合う関係になれた事例です。 ■解説動画URL:https://www.pokesapo.com/bwp-4 小学校へ就学する子どもの保護者が、地域の就学前ソーシャルワーカーへの相談をきっかけに、医療や保健、教育、NPOを含めた多職種が参加して、学校生活で配慮が必要な点など就学前のケース会議を開催した事例です。 ■解説動画URL:https://www.pokesapo.com/bwp-5 前ページのアンケート調査結果から先生方の求める声にお応えする形で、解決に至った多職種連携による好事例を発信し、多くの方と共有することが、子どもたちの新たな支援につながるのではないかと考え、本事例集を作成することとなりました。病気を抱える子どもに携わる多職種の皆様にとって、次ページからの5つの事例が参考になれば幸いに存じます。 ネットワーク会議では、持ち寄った事例の共有やアドバイス、各所で行われるイベントや事例の協働など、顔の見える関係だからこそできる強みを活かしています。今後、相談先や支援先がつながりネットワークが拡充することで、地域で病気療養する子どもたちを支える取り組みを強固にしていきたいと思います。 岡山県内における病気療養児への支援を広げる取り組み < 教育と医療が多職種連携で取り組んだ実践事例 >

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