岡山県内の病気療養児支援で多職種が連携した実践事例集
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10 終了後も入院中のBさんは、初回の交流がとても楽しかったようで、回診にくる医療スタッフへもその話ばかりをしていたと報告がありました。 翌日も時間調整を行い、オンライン交流を実施しました。前日に打ち解けた2人は、ポケットサポートの職員が介入する必要もなく会話が始まり、画面に映る状況から「しんどかったら、寝たままで体を起こさなくてもいいよ」など、闘病のつらさを知っている者同士だからこその励まし合いの発言も見られました。その後、Bさんが検査のある日も、Aさんが時間を調整しながら交流は続きました。 違う病院で長期入院を経験している人は、今まで一緒に活動や、つながることが難しい状況がありました。今回、コロナ禍が追い風となり、本人と保護者家族の同意と、入院病棟の医療者の許可があったことで実現することができました。 ▲入院中の生徒とボードゲーム交流する様子 ▲様々なICT機器を活用してオンライン交流 ▲液晶ペンタブレットを活用した学習支援の様子 ▲多人数でコミュニケーションゲームで遊ぶ様子 初回の自己紹介のときに「今日は今まで何をしていたの?」の質問に2人とも「薬飲んで、それ以外は何もすることがなかった」という共通点が重なり、「同じだ!」と笑顔が見られた瞬間が印象的でした。疾病は違いますが、同じような病気療養経験のある当事者同士は分かり合える部分も多く、同世代かつ偶然ではあるものの居住地が近いこともあり、短い時間ですが病気の事を忘れて笑顔で語り合う10代らしい一面が見られた事例となりました。 【Aさんの変化】 Aさんは入院治療中のBさんに対して、「しんどそうだったけど、頑張ってたのが見えた。少し心配だけど、オンラインで繋いでる時間は楽しいから頑張りたくなるんよな。自分もそうだったから良くわかる。Bさんとまた一緒にできたらいいな。」という言葉があり、長期療養する仲間を思いやる気持ちが芽生えたようでした。 【Bさんの保護者から】 「入院している時、今までなら他の子と話したりしてたけど、それもできなくなってたから、久しぶりにこんな楽しそうな様子が見られました」と病院内でも笑顔が見られたことに感激されていらっしゃいました。

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