岡山県内の病気療養児支援で多職種が連携した実践事例集
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☑医療者も生徒に闘病仲間が必要と感じ、交流を促してくれた ☑生徒2人の年代が同じことで、より気持ちの距離が近くなった ☑闘病する仲間として互いに励まし合い、深い関係性が育まれた 新型コロナウイルス感染症の影響により、入院中の病棟では患者同士の接触ができなくなりました。以前は、闘病して いる者同士がつながり、気軽に相談できる仲間づくりができていました。つながりから「ひとりじゃない」という気持ちが芽生え、それが治療に向かうエネルギーになる様子も感じられることがあります。今回は自宅療養中の生徒と入院中の生徒が、オンラインの交流を通じてつながり、励まし合う関係になれた事例を紹介します。 9 自宅療養中のAさんと、入院治療中のBさんは、Aさんは退院直後ということもあり、感染症対策普段は2人とも違う時間に、支援員や大学生ボラそこで、Bさんの入院する病棟スタッフへ「同世代病院との調整の間に大学生のボランティアと、交流支援の内容を考えていきます。互いが初対面ということもあり、アイスブレイクと自己紹介を織り交ぜたオリエンテーションと、その後に協力ゲームをすることで打ち解けるというアイデアを採用しました。 自己紹介のオリエンテーションでは「8つの窓」というアイスブレイクの手法を使い、互いの関心事や趣味・嗜好などを知ることができました。また、協力して課題を進めるボードゲームをプレイすることで、自然と相談やアイデアを出し合える関係性を作りました。 その後の余った時間ではフリートークを行いました。偶然にも住んでいる地域が近かったことなどの、共通点も多く意気投合する様子が見られました。 【学校】高等学校&大学 / 【きっかけ】同じ時期に闘病していたこと / 【準備期間】当日 病気の種類も病院も違う高校生と大学生の同世代でした。2人とも、ポケットサポートが実施する交流支援を通じて、以前から関係性がありました。 の関係から自宅療養生活が続いていました。一方、Bさんも入院治療中はベッド安静のため時間を持て余していました。 ンティアと交流する「ポケットスペース」へ参加していましたが、ある日2人の希望する時間が重なることがありました。 の年齢で自宅療養中の子も、一緒に参加してオンライン交流できないでしょうか?」という相談と共に、AさんとBさんへも同様の提案を伝えたところ、調整が行われることになりました。生徒本人と保護者家族にも了承いただき、医療スタッフも「Bさんには闘病している仲間が必要だ」という認識で一致し、オンライン交流をすることになりました。 ▲事例解説動画 本人家族に意思確認医療者と調整オンライン交流開始継続的な関係づくりコロナ禍でも同世代の闘病仲間と オンラインで交流できるようにしたい

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